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僕ら× 1st.

第29章 侑生BD --Hzm,Ar

***

感慨深いその夜は、ひとり早めに個室にこもる。

『花野、大好きだよ』

『花野、愛してるよ』

可愛らしい記号をいっぱいつけて、俺は彼女に送信する。

この気持ちをもっと伝えるには、どうしたらいいんだろう?

モノアミン神経伝達物質から俺なりの力学まで長々と浮かべた末にも、俺が採用した文章は短いけれど。

今日から20代。
彼女に話しかけることさえできなかった15才の俺に、"精々悩め"と伝えたい。
その分、今日が特別で、忘れられない日になるから。

……花野はもう寝たのかな?

『11000001100000 11000001000100
11000001011001 11000001001101

→ ソレドド ソド#ラソ#
ソド#シファ ソド#ラ#ファ

→ だいすき』







1st. おしまい。

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