道о明日に繋がる光
第9章 不安
Ⅰ度しか行ったことないけど
なにも考えずに電車に乗った
颯汰くんのお家に行けば
必ず会えるから
逆にいえば そこしか
頭に浮かばなかった
インターホン鳴らしても
応答わない
まだ帰ってきて
ないのかな、
何時間待っただろう
春風が冷たくて
手も足も 感覚がない
「さむいょ…」
『…!? 雅?』
愛しい人の声
見上げると颯汰くんがいた
「あ、あのね…」
『なにしてんだよ…』
一瞬止まった
キモいって思われた…?
「ごめん
そうゆうんぢゃなくて
あたしッ…」
『寒かったろ?』
そーゆって
ぎゅって抱き寄せてくれた
んも なにがなんだか
わかんなくて
必死に伝えた
「あたしね 馬鹿だったの」
『なにが?』
「颯汰くんに言わなきゃ
いけないのにッ…」
上手く言葉にできてない
もどかしくて
涙がとまらない
「だからねッ あたし…っ」
『雅 落ち着いて
こあがらなくていいから、
ね?』
「…あたし
颯汰くんが好きなの…」
『ん、』
「だからねッ…」
『ん?』
「あたしから
離れないでください…」
やっと言えた
涙できっと
ひどい顔してんだろうな
『……』
颯汰くんが黙ってる
あたしも黙ってる
「颯汰くん…?」
『雅、おれ…
その言葉すげえ聞きたかった』
ん…?
聞き間違い?
『俺の彼女に
なってくれる?』
あたしわコクリと頷き
颯汰くんわ優しい
キスをしてくれた