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オンリーワン!

第1章 film0

ここは、都内にある、頭の悪い底辺中学校である。

桜が舞うこの季節、卒業式が行われていた。

「卒業証書、3年D組、井ノ原カリン。」

体育館内に響く校長の声。

「はいっ!」

声がでかいことだけが取得の私。

「卒業おめでとう。」

満面の笑みの校長

「ありがとうございますっ!」

私もつられて笑顔になる。

各クラスの1番の出席番号の人が代表で卒業証書を貰い、卒業式が終わった。

「カリンー!!寂しいよー!!」

「まこっちゃん!私も寂しいよ!」

ものすごく泣きながら抱きついてきたこの子は私の親友の藍原真琴ちゃん。

栗色のふわふわした髪の毛を二つで結んでいてものすごく可愛いの!

「てか、カリン。なんで学年最下位のあんたが私立要海高校に受かったのよ!!」

「なんでだろうね」

あははと乾いた笑いが漏れた

そう、私、井ノ原カリンは、4月から全国1位の学力を誇る私立要海高校に入学するのです!

いやね?普通にすごいことなんだよ?私、まこっちゃんが言ってたとおり、学年最下位だったんだから!

大嫌いな先生を見返したくて死ぬ気で 勉強したんだよねー

辛かったよ、あの勉強時間は。

なんて、私が思い出に浸っていたら

「カリン。」

まこっちゃんがものすごく真面目な顔で私を呼んだもんだから、私も緊張して小さくはい。と答えた。

「高校が別々でも、ウチらは親友だからね?」

「まこっちゃん...!!」

泣かないって決めてたのにまこっちゃんのせいで涙が止まらなくなったよー!!

「まこっちゃん大好き!!」

「ウチも!!」

私たちは傍からみたら、ものすごくブスな顔なんだろなー

だけど、ものすごく幸せな3年間だったな

“全国1位の学力を誇る私立要海高校“

どんな高校生活になるかわかんないけど、楽しい3年間だといいな!

そんな淡い期待をもって私は、まこっちゃんとお別れをした。

まさか、高校生活がものすごく波乱なものになるとは知らずに...
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