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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~

第2章 藤堂建築アトリエ事務所


歳は四十を越えたというのに、未だ疲れ知らず。
やけに広い肩幅にはスーツがよく似合っている。

見た目はどこかの高校の体育教師にしか見えないが、著名な業界紙にいくつも作品を取り上げられてきた実力のある建築家だ。

そして私は【 藤堂建築アトリエ事務所 】の意匠設計士。

藤堂さんと私は遠い親戚同士でもあり、大学を卒業後にここで働き始めた。


「ところで藤堂さん、汗がすごいですよ」

「ああばれたか。来週末のマラソンに向けて、ひと駅分を走って戻ったからな」

「…それは結構なことですが、スーツは脱いで走ってください。そして早く着替えてください」


ちなみに藤堂さんの趣味はランニング。

…どうでもいいけれど、ランニング好きな人間はドMだというのが、私の持論。


「悪い悪い…っ」


私に冷たくあしらわれ、彼は別室に消えていった。


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