後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第9章 詫びのしるし
ちらりと覗き見ると、気だるさを含んだ表情で彼は目を閉じていた。
その横顔に…私の目頭が熱くなる。何故だか、本当に、わからないけれど。
「……っ」
「……どう?」
「…っ…フ、…とても気持ちがいい、ですね」
「……」
話しかけても目を開けない葉川くん。
でもまだ笑っている余裕はあるみたい。
それなら……
私は人差し指と親指で輪っかを作り、カリを通過するようにして上下に動かす。
手につけた粘りは十分じゃないから、竿の全体に刺激を与えるのは諦めて先の方に集中させた。
「ク…ッ…」
「わかってると思うけど、事務所の車なんだから出すのは我慢するのよ」
「わかっています」
「それと外の人間にバレないように……表情も変えないで」
「…ハァ……ええ、勿論ですよ」
勿論。そう言いきる彼の自信は流石のもの。
けれど次第に呼吸は深くなり、シャツの下の腹が上下し始めていた。