後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第4章 誘惑のドライブ
私達が敷地に到着した時には、事務所を出てから二時間ほどが経過していた。
思ったよりも早かった。
事前に駐車許可をとっていたので敷地に車を停め、私は先に外に出る。
「ここに…どう建てるか…か」
まだ何も建っていない、さら地の真ん中
私はそこから、図面上の方角と今見る風景を照らし合わせた。
“ あの辺りが入り口として…なかなか、配置が難しくなりそうね ”
図面で見たときも思ったけれど、想像以上に細長い形をしている。
必要な駐車スペースと車道をどの様に配置するのか、サービスゾーンをどこに置くのか…
自由度は少なそう。
この場所は一見、扱いづらい。
“ でも…… ”
私は持ち出したカメラを構え、目の前の風景を写真におさめた。