後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第5章 カラダから始まる
それからマンションの駐車場に車を停めて、私は葉川くんの部屋に来た。
彼の部屋は驚くような広さでないにしても、ひとり暮らしにしてはゆったりと広いワンルームタイプ。
セキュリティもしっかりしているし、立地もなかなかなこのマンション…。
給料が低いことで有名な日本の建築アトリエで働きながら、こんな所に住めるものかしら…と不思議に思っていると
「ここは叔父が所有しているマンションで、安く部屋を貸してもらっています」
察したらしい葉川くんが、先回りして説明した。
「そうなの。…で、私はシャワーを浴びてきてもいいの?」
「先輩のお好きに。僕はその間にお弁当を頂いてもいいですか?」
「どうぞ」
…正直なところ、どうだっていい。
彼のことだから、どこかのセレブマダムを捕まえて大金を貢がせていたとしても私は驚かない。
“ その素質はありそうだし ”
事実、五歳も年下の彼に良いように言いくるめられた馬鹿な女がここにいるんだから。