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WーWING

第8章 うらはら

 翌日。


 隼斗は頭痛で悩んでいた。


 昨日のラブホテルでの、優雅との愛の交わり。


「なんで、ああなったんだろう……」


 思い出すと頭が痛い。


「おーーい、隼斗ぉーっ!!」


 朝から聞くと、汚い声だ。


 ちょうどバスから降りた優雅が、道路の向こう側から手を振っている。


 隼斗は、やや苦笑いで手を振った。


 信号が青に変わると、爽やかな笑顔で走ってくる。


「うっす、どうだ調子は」


 昨日の今日で、それほど変わることはない。


 変わるのは、精神のみ。


 ラブホテルで見せた自分と、今の自分は違う。


 優雅はどうなのだろうか?


「いや、僕はいつものままだよ。優雅は?」


「う〜ん、ちょっと変化あったかも知れねえな」


「あったんだ……」


 その変化が怖かった。


 だが、なんだろう。隼斗は、優雅に対して、面白くて力強い真っ直ぐなバカだと思っていたが、普通にいい男に見えてきた。


 男が認める男とは、こういうものだろう。

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