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第8章 うらはら

 美晴と英里奈は、外に出た。


「美晴、ごめんね。せっかく紹介してくれたのに。なんか、写真とあまりに違いすぎたから……」


「うん、まあ、英里奈の好みもあると思うけど」


 美晴は携帯に入っている写真を、改めて見た。


 写真は隼斗と、輝基が写っている写真だ。


「……英里奈、ひょっとしたら、こっちを見た?」


 美晴は、輝基の方を指で示した。


「あ、そうそう、この人この人!! かっこいいじゃん、誰?」


「あ……こっちと間違えたのね……」


 英里奈が見ていたのは、弟の輝基の方だった。


 美晴はこれが双子の弟だとは、言いにくかった。


 隼斗は部屋で、ベッドに潜り込んでいた。


 もう、ベッドからも出たくない。


 あの子は初対面。


 なのに、突然、拒否された。


 つまり、自分は見た瞬間に嫌われる。


 あんなに拒否しなくてもいいだろう。


 話もしてないんだ。


 せめて、10分くらいはアピールさせてよ。


 けど、見た目で人を選ぶような女は、たいしたことはない。


 人として最悪だ。

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