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WーWING

第8章 うらはら

『ヴィーン、ヴィーン、ヴィーン』


 隼斗の携帯電話が鳴った。


 優雅からだ。


 隼斗は電話に出た。


「もしもし」


 声に覇気がない。


『おい、どうした隼斗。心配したんだぞ』


 電話もメールも無視していた事に、怒ってないようだ。


「ごめん……優雅。ちょっと、落ち込んでさ……」


 隼斗は先ほど、妹が紹介してくれた女子に、1発でふられたことを、優雅に話した。


『そっかぁ、そんなことがあったか……』


 優雅も非常に残念そうだ。だが、すぐに話かける。


『だけどさぁ、その女の子はうちの学校じゃねえだろ。それに女の子は一人だけじゃねえよ。たくさんいるんだ。そりゃ合う合わん、あるよ。俺達がやってることは、受けるようであって、逆に攻めてんだよ』


「攻めてる?」


『そうだ。いいか、世間のゲイなんてよ、あまり表に出ないじゃねえか。タレントになってっから、みんなゲイだってわかるけどよ。でも、そのゲイも人気あんだろ。隠してないからだよ。ゲイを武器にしてんだよ。俺達もよ、作りもんのゲイやってっけど、おもいっきり正面に出していこうな』

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