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WーWING

第8章 うらはら

 その夜、隼斗は優雅と会うことにした。


 一目惚れならぬ、一目ふられの傷を吹き飛ばしたい。


 時間は午後8時。


 外はわりと涼しかった。


 7月の上旬とは言え、それほどムシムシはしていない。


 隼斗は学校の近くのバス停に来た。


『ヴィーン、ヴィーン』


 電話だ。


 相手は優雅からだ。


「もしもし」


『隼斗か、バスに乗って、○○台でおりろ』


「はぁ?」


『どれに乗っても、途中で○○台を通るから、そこで下りろ』


「わかった」


 隼斗は5分後に来たバスに乗り、優雅が指定したバス停で下りた。


 そこには、優雅が立っていた。


「お、来たか」


 暗がりの中で見ると、何となくだが、いい男に見えてきた。


「優雅……今日はごめんな。いきなり帰ってさ」


「気にすんな。まあ、ホテル入ったことで、ごちゃごちゃ言ってたやついたけど、ボコボコにしといてやったから」


「優雅、ケンカ強いね」


「向こうが弱いんだ。俺はいじめとか大嫌いだからな。親分面してるやつ、頭にくるんだ」

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