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WーWING

第8章 うらはら

 恥ずかしがらずに、ゲイを押し出す。


 それは自分をさらけだすこと。


 男女が腕を組んで歩くのはなぜだ? 


 それは、愛し合ってることを、表面に出すということ。


 それは、女同士でも男同士でもあっていいんじゃないか?


 愛し合ってることの、なにがおかしい。


 しかも、俺達が腕と腕を取り合っている。イケメンとは言えない俺達が……。こんなパフォーマンス、お前らに出来るか!!


 これが優雅から、世間に向けたメッセージ。


 隼斗はそう受け止めた。


 優雅からの電話で、隼斗の心に火がついた。


「優雅……いけるところまで行こうよ」


『えっ……』


「とことん、WーWING、頂点までいこう」


『……そっか。お前がその気になったんなら、俺もやらなきゃいけないな。やるか』


 その言葉に、電話でありながら、隼斗は無言で頷いた。


 優雅は、隼斗の返事を心で受け取っていた。


 バカにするならバカにしろ。罵るなら、いくらでも罵るがいい。


 これが、俺達のやり方だ。

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