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WーWING

第9章 偽りの愛の果て

 優雅が住むマンションの4階まで、エレベーターで上がる。


「エレベーターがあるんだ」と隼斗は、羨ましそうに言う。


「あれ? 隼斗ん家は個人住宅だろ?」



「2階上がるのに欲しいなぁ〜って」


「贅沢すぎるよ。俺は、普段は階段使うぜ。運動にもなるし、その方が速い」


「うへぇ、4階までって……アスベストだよ」


「エベレストだろ。エベレーター来たぜ……あれ?」


 優雅もつられておかしくなった。


 4階の左奥が優雅が住む、部屋だ。


「まあ、上がれよ」と優雅がドアを開ける。


 すると、強いラベンダーの香りが、鼻につく。


 見ると、あちらこちらに、部屋用の消臭剤が置いてある。


「凄い数の消臭剤だね。なんか、いろんな匂いが混ざってるけど、匂いがする動物飼ってるの?」


「これな、俺がいつもここでチ○コ出してるから、チ○コ臭がキツいってんで、姉ちゃんが置き出したんだ。なにが臭いんだよ、彼氏の同じ匂いのするもんペロペロしてるくせによ」


「いや、個人差によると思う」


 お互いに、舐めあった者同士の話だ。

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