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第10章 男の約束

「いや、真実はいずれ聞くことになってたかもしれないけどよ!! タイミングがあんだろ!! 受験生だぞ!! せめて、卒業してからでもいいだろっ!!」


 隼斗の怒号に、雲幸は酔って寝たふりをする。


「私、なんか信じらんない」


 美晴が言った。


 隼斗は目を潤ませた。


「美晴……」


「実の兄貴だと思ったから、心配したんだけど、他人じゃん。こいつ、パンツ匂ってた汚い変態じゃん!!」


「み、美晴!?」


 空気がさらに、濁ってきた。


 雲幸が目を覚ます。


「なにぃっ!! 娘のパンツを匂ってただぁ!? うちには、そんな変態はいないはずだぞっ!! お前なんか、うちの子じゃないわっ!!」


「最初から違うんだろうがっ!! ここぞとばかりに目を覚ますな、ゴミ坊主!!」


 すると、輝基が立ち上がる。


「ヒドイよみんな。隼斗くんは、今でもこれからも、ずっとお兄ちゃんなんだ。もてる要素がないから仕方がなく、身近な異性の身に付けたもので、欲求を満たしていただけなんだ。変態とはわけがちがうんだよ! ね、隼斗くん」


「お前の発言も救いがないわっ!! 同級生みたいに呼ぶな!!」

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