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WーWING

第10章 男の約束

 隼斗はテーブルを叩いて、立ち上がった。


「もういいっ!! よくわかった。つまり、この家族の中、血の繋がっていないあかの他人は僕だってことだ。そうだよ、変態だよ。美晴のパンツを匂ってたこともある。被ったこともあるさ。だって、モテないからね。真面目になろうが、性格変えようと努力しようが、無駄だったから、異性の香りが欲しかっただけ、それが世に言う変態になった。要するにみんな容姿しか見てないんだよ。誰でもそうだろ。ナンパするのに、ブス選ぶか? 選ばねえだろっ!! 僕は美晴自身にはなにもしていない。身に付けたもので、楽しんでいたさ。あぁ、気持ち悪いならいくらでも罵れ。もう、ここの家の者じゃないんだ。なに言われてもかまわない。もう、言いたいことは全部言った。ここまで育ててくれてありがとう俺はもう出ていくよ」


 隼斗は言いたいことだけを、吐き出して、リビングを出ていった。


 ゆっくりと2階に上がり、リュックを引っ張り出して、必要な荷物を詰め込んだ。


 もう、用はない。学校も行きたくない。


 だが、なぜ誰一人として自分を止めないのか?


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