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WーWING

第10章 男の約束

『隼斗……聞いてくれ』


 優雅の呼び掛けにも返事をせず、ただうつむいたままだった。


『隼斗、いいから話を聞いてくれ。切るんじゃない。これは、美千留に、紹介出来る友達がいなかったのが、悪いんだ』


「……」


『彼女だったらよ、自分の彼氏のツレも寂しい思いをしてるから、いい子紹介してやれよと頼まれたら探せよって。お前、女なんだろって。俺より女の交流あるだろって』


 理由としては、無茶苦茶だが、隼斗はその話に頷いていた。


『役に立たないやつはいらない。俺は、美千留と別れる』


「はぁっ!?」


 隼斗は声を上げた。


「いやいやいやいや、優雅、なに言ってるか、わかってる?」


『わかっている。だがな、WーWINGは、二人に彼女が出来てこそゴールなんだよ。俺はお前を、この世に一人しかいない、最高の親友だと思っている。だから、俺だけ幸せにはなりたくないんだ。何度も美千留には言ったよ。一人くらい、隼斗に合う娘がいるだろうから、女の特権で探してくれって……だけど、美千留は拒否したんだ。隼斗に紹介出来る娘がいないんなら、もう用はないよ』

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