テキストサイズ

WーWING

第12章 美千留と真子

 高校生の頃、隼斗と同じクラスにいた女子、寺内真子と、優雅の彼女だった天野美千留が喫茶店でコーヒーを飲んでいた。


「で、あの二人は上手くいってるのかなぁ?」と真子が聞いた。


 美千留はケーキを食べながら、クスッと笑う。


「あの時はビックリしたよ、羽佐間くん(優雅)から、俺と彼女のフリをして付き合ってくれって言われた時、“なぜ”て思ったもん」


 真子は体を前に寄せた。


「羽佐間くんは知ってたんでしょ? 私達が同性愛者で付き合ってるってこと」


「うん、知ってたから言ってきたのよ。だって、羽佐間くん、本物のゲイで以前から相羽くん(隼斗)のことが、可愛くて好きだったっんだって。あの時は相羽くんに、嘘をついて恋人ごっこさせて、自分と付き合わせてたみたい」


「うそぉーっ! それって凄い計画的」


 真子は話を聞いて喜んでいる。


 美千留はコーヒーを一口飲んで、喉をうるわすと、話を続けた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ