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WーWING

第12章 美千留と真子

「そうでもしないと、恋人関係に持ち込むことができないって。でも、相羽くんも羽佐間くんと付き合い始めて、だんだんとその気になってきていたみたいだから、そろそろ決めにかかるために私と付き合うフリをして、ジェラシーを感じさせる作戦を取った結果……」


「まさか、本当に二人が付き合っちゃうなんてねぇ……」


 そう、すべては優雅の赴くままの誘導作戦だった。


 ゲイだった優雅は、いつもアダルトビデオでAV男優を眺めながら、一人で射精を楽しんでいた。


 だが、身内には自分がゲイだと知られたくないために、わざと姉のパンツを自分の部屋に隠したりして、女好きで変態を装っていた。


 姉がいない時に、姉の下着を匂うのは、女の匂いを感じていたわけではなかった。姉の下着に付着しているのが、男の精液と知っての時のみだった。


 部屋に隼斗を呼んで、姉の使用済みパンツを見せたのも、隼斗の様子を観察するためだった。


 そして、手応えを感じた優雅は、同性愛者でレズの美千留に話をして、付き合うフリをしてくれと頼んだ。


 その結果、見事に隼斗は優雅の手に落ちた。


 二人はゲイの芸人として、新しい道を歩み続ける。


 真子は言った。


「あの二人がデビューしたら、応援しようね。お笑いコンビ“WーWING”をね」







(完)

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