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WーWING

第3章 俺達、WーWING

「てかさぁ……僕になにかよう?」


「ようって……だから、しんどそうにしてたから声をかけたんだって。そんな邪険にすんなよ」


「うん、ごめんね」


 隼斗は階段を上りだした。


「てかさ、今日、朝礼あるぜ。また、下りてこないといけねぇぞ」


「あっ!!」


 隼斗は忘れていた。


 下りると、また上がらなければならない。


「たかが、4階までの階段で、ここまでくたびれるやつ、見たことねえよ。太ってる前に体力ないんだろ」


 図星だ。もとから運動嫌いなため、今まで運動らしい運動は、なにもしてこなかった。


 もっとも、痩せていたころは、階段を上がることはそれほど苦痛ではなかった。


「あのな足だけで上がるな」


「はぁ?」


 この男はなにを言ってるんだ?


 足で上がらなければ、どうやって上がる?


 優雅は続けた。


「あのさ、右足を前に出すだろ。そしたら、体重を右にかけるんだ。次に左足を出して、同時に体重を左にかける。それをリズムよくやってみな」


「えっ? あ、あぁ……」


 隼斗は言われた通りにやってみた。


「っ!!」


 今までよりはスムーズに進める。

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