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WーWING

第3章 俺達、WーWING

 隼斗は黙りこんだ。


 彼女は欲しい。すぐにでも欲しい。


 だが、受験も大事だ。天秤にかけても受験の方が重い。


「相羽、一緒に受験を支え合って頑張っていける彼女、欲しいだろ」


 優雅の言うことに、天秤が傾いた。


 重さが交互になった。


「……うん、そうかな」


「俺は進学というか、卒業したら、専門学校にいくつもりだ。いま、7月。お前成績は?」


「うん……まあ、悪い方じゃないよ。偏差値70は……」


「よし、勉強は二学期から頑張れ」


「ええっ!! ちょっとちょっと……困るよ、だって進学だよ、いい大学いかないとさぁ……」


「大学行っても、彼女は出来ないぞ」


「いや、でもさ……」


「隣の二人、見てみろ」


 隼斗と優雅はもう一度、横にいるカップルを見た。


「あいつら、見てみろよ。同じ三年だぜ。なのに、あれだけイチャついてる。あいつら、同じ大学行くんじゃないか?」


「まあ、どうかなぁ……」


 いまひとつ、優雅の意見に賛同出来ない。


「つまり、同じ目標を持つ二人同士なら、頑張れるんじゃないかって話だ」

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