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WーWING

第4章 互いに結ぶ?

 優雅は大きくため息をついて、二人の無言の空間に一矢を放った。


「う~ん……これは、禁断扱いにしたかったが……これしかないか」


 隼斗は優雅を見る。


 なにか、いい案が浮かんだのかと期待を寄せる。


「隼斗、あの二人の女子を見ろ」


 優雅が隼斗の肩に手を置きながら、指を差す。


「えっ!? なに?」


 優雅が示す先には、二人の女子が笑いながら本を読んでいる。


「あの二人が読んでいる本、なにかわかるか?」


「本?」


「この際、マンガだろうが小説だろうがどっちでもいい。あれは、BLってジャンルの作品だ」


「BLっ!?」


「ああ、俺の6.0の視力が、あの表紙を狙って離さない」


「優雅、アフリカ人!? 狙って離さないって、なにを目から出してるの?」


「BLってわかるか?」


「うん、妹も読んでるよ。男同士の……同性愛の……」


「そうだ。ホモとはいかない、ギリギリ路線だ」


「いや、僕はオカマもゲイもオネエもホモもハードゲイも全部同じ扱いにしてるよ」


「それらは、似て非なるものもある。あくまで、同性愛だ」

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