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WーWING

第4章 互いに結ぶ?

 翌日。


 朝、隼斗と優雅は校庭にいた。


 まだ、授業が始まらない、ダラダラとした時間。


 部活の朝練だけが、神経をはりつめていた。


「なぁ、隼斗よ……見たまえ」


「うん」


「この学校だけでも、これだけの女子がいるではないか」


「うん」


「なぜ、誰一人、我々を見ようとしないかねぇ」


「道端にあるウンコでも、一瞬は見るよね」


「決まったな。俺達はウンコ以下だ」


 素直に喜べない。


 確かに注目はされない。


 一瞬見て「キモっ」の、余計な一言がついてくる。


「なにか、注目されるようなことしないといけないかもね」と隼斗が呟く。


「俺達は普通に存在したって、見向きもされない。いわば、隅で転がってる石だ。なにか、色をつけなきゃならねえな」


「色……」


「だが、ありきたりな色じゃダメだ。もっと異色なものでなければ……」


 優雅は腕組みをして考える。


 隼斗も考える。

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