テキストサイズ

WーWING

第5章 第2ステップ

「まさかぁ……まぁ、たしかに兄弟くらいに仲がいいのは、事実だけど」


 こう言った方が無難か。隼斗は言葉を選びながら言った。


 同じように、優雅も自分のクラスの男子に言われていた。


「おい、羽佐間、正直に言えよ……お前、D組のデブと関係あんのか?」


 そう聞かれて、優雅はニヤリと笑った。


「さあ〜ね、それはあなた方の想像次第。でも、俺達は仲がいいぜ、まるで恋人みたいにな」


 優雅は思った。



 これでいい。もっと噂になれと……。



 放課後。


 二人は腕を組みながら、歩いていた。


「優雅……なんか、クラスで僕がゲイなんじゃないかって、噂がたってんだよ……なんか、いたたまれないよ……」


 優雅は鼻で笑った。


「いや、狙い通りだ」


「え、なんで!?」


「これでいいんだよ。でも、まだ全体の10%にも満たない」


「えーっ!! これで、まだ10%ないの?」


「そりゃそうだ。まだ、女子の注目を浴びていないんだぞ。ここから50%になるまで、耐えなきゃならない」


「ごじゅうーーっ!?」


 隼斗は気が遠くなった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ