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WーWING

第5章 第2ステップ

「隼斗、俺も最初は馬鹿馬鹿しいかなとも思った。だけど、時間が無ければ方法もない、まして普通に告白したって、俺達を受け入れてくれる女子がいない。なら、受け入れてくれる可能性のあるものに自分達を寄せようと、考えた結果がこれなんだ」


「BL人気の便乗」


「便乗することに、なにも悪いことはない。ただ、それがたまたまBLだっただけだ」


「でも、この作戦が失敗することだってあるよね」


 隼斗の心配がそれだ。


 優雅との恋人同士のフリをして、それが噂になり、変態だのゲイだの、罵られるだけ罵られて、なにも得ることができなかった場合のことが、不安だった。


「隼斗、最初から失敗するとか成功するとか、わからねぇじゃねえか。例え、それが100%成功するとか言ってても、失敗するかもしれない可能性はプラスされる。目の前にリンゴがあったとする。これを取れるかと言われて、取った。これは結局、結果論だ。誰かに邪魔されるかもしれない。地震が起きて転がるかもしれない。つまり、100%なんてないんだ。だけど、結果を100%にするための努力は出来る」

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