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WーWING

第5章 第2ステップ

 驚いた顔で、隼斗を見つめる。


「こういうことだろ。次のステップは」


 隼斗は笑いながら、ピースした。


 バスがやって来た。


 優雅は、フッ……と、笑う。


「なるほど、隼斗、予習したな。次は少しハードだぞ」


 バスが止まり、ドアが開いた。


 優雅は乗り込むと、空いている後ろの席に座った。


 隼斗はバスが見えなくなるまで、手を振った。


 作戦実行のため、思いきったことをしたものだ。


 たまたま、誰もいなかったから、出来たこと。


 隼斗はハンカチを出すと、何度も口を拭いた。


 だが、心が重かった。


「僕のファーストキスが男……僕のファーストキスがぁぁぁ……」


 うなだれながら、とぼとぼと帰路を歩く。




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