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WーWING

第5章 第2ステップ

 優雅はこんな作戦でも、一生懸命考えている。


 自分と手を繋いだり、腕を組んだり、本当なら早く女の子と、そのような関係になりたいことだろう。


 自分だってそうだ。こんな毛深い変態ハードブサイカーと、なぜ、引っ付いて歩かなきゃならない。


 彼女がほしい。


 それだけだ。それには、自分達を注目させなくてはならない。


 その注目方法がこれだ。


 結果が出るまで、やり続けるしかないのだ。


 しばらく歩いたのち、優雅が乗るバスの、バス停に着いた。


「じゃあ優雅。ここからお別れだよ」と隼斗が手を離す。


「そうだな。また明日。頑張ろうぜ」


 優雅は、グッと握った拳を見せた。


「うん、じゃあ」と隼斗は手を振る。


 5、6歩、進んでから……


「あ、優雅、ちょっと」


 突然、振り向き、歩みよった。


「ん? どうした?」と優雅は、不思議そうに見る。


 隼斗は優雅の前に立ち、少し背伸びをした。


 すると……


「っ!?」


 隼斗が顔を近付け、そして……自分の唇を、優雅の唇に重ねた。


「うわっ!?」


 あわてて、顔を離す優雅。


「おい、隼斗……なんだよ突然」

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