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WーWING

第1章 はぁ~

「兄ちゃん、なにしてんの?」と後ろから輝基が覗きこんだ。


「うわっ!!」


『パリッ!!』


 ……両手で潰してしまった。


 ワキ毛ラッコを見付けたら、お願いごとを呟いてから、パクっと口に放り込む。


 ただし、割ってしまったり、割れていた場合は願い事は叶わない。


 輝基が言った。


「兄ちゃん……頭の上にズズズーンて文字が見えるよ」


「お前のせいだ、バカ野郎……」


 かなり、落ち込んでいた。


 隼斗は手の平で潰れたラッコの大行進を、舐めるように食べた。


 少しだけ、塩味だった。


 夕方になると、父親が帰ってくる。


 父の名前は雲幸(くもゆき)45歳。実は家の真裏がお寺で、雲幸は住職をしている。


 ちなみに、雲幸がお坊さんになろうと思ったのが、20歳の頃。若くして毛が薄くなりはじめ、坊さんなら毛が無くとも問題はないという理由で、仏の道に入った。


 他人から見れば立派なお坊さんだが、身内からすれば生臭坊主である。ちなみに、身長は160cmで、たいして大きくはない。


 ちなみに、母、富美子(ふみこ)は43歳。身長150cmで75キロ。まあまあ、ぽっちゃり母さんだ。

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