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WーWING

第1章 はぁ~

 午後6時半。


「夕食が出来たわよ」


 母、富美子の声で、一階に下りてくる。


 相羽家はダイニングキッチンで食事をする。


 今日は唐揚げだった。


 食卓には美晴はいない。


 雲幸が怪訝な表情を見せた。


「美晴は? なぜいない?」


 隼斗は丸い顔をさらに丸くして言った。


「4時くらいに、友達と遊んでくるからって、出ていったぜ。食事いらないって言ってたけど、母ちゃん夕食の買い物に行ってたから、もう遅いと思ってさ」


「まったく……門限には帰ってくるんだろうなぁ」


 雲幸はビールを片手に唐揚げを頬張った。


「さあね……て、言うか、前から思ってんだけどさぁ、坊さんが肉食っていいのか?」


「かまうか。堅いこと言うなって。人間には動物性たんぱく質も必要なんだ。仏だろうがなんだろうがさ、死んだ魚や動物にありがとうという感謝をすればいいんだ。それに、俺は毎朝、食べた食材にたいしてお経を読んで供養している」


 こんな坊さんに供養されても、成仏しきれないなと、隼斗は思った。





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