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雪に咲く花

第5章 不幸中の出会い

背中をさすりつづけられ、ようやく呼吸がもとに戻ってきた。
「怖がらせてわるかったね。沢村さん、この仕事はこの子みたいな純な子には無理だよ。もっと軽いずるがしこい子を選んだほうがいい」
背中をさすってくれた男も、帰り支度を始め去っていった。
「ああぁ、いいところまでいったのにな。今日はお開きだな」
カメラマンがカメラのセットを片付け始める。
「ちっ!予定が狂ったぜ」
雪斗、メーク係、沢村の三人が部屋に残された。
「この子、どうします?」
「どうしようもないだろ!もとはといえば、お前が媚薬の管理を怠るからだ。あれがあればコントロールが簡単だったのにな。責任持ってこの部屋片付けとけ!このガキまだかえすなよ」
先ほどとは別人のように暴言を吐き、沢村がバタンとドアを閉めてでていった。

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