kiss & cry
第15章 xA not REC-xmas EVE
A side
A「気持ち悪くなんてないっ!!」
ごめんと泣き出した彼を
力任せに掻き抱いて、言葉を続ける。
A「さっきのだって・・・嬉しかった。
二宮くんがそんな風に
思ってくれてるなんて知らなかったから・・・」
N「・・・。」
A「だから、絶対忘れない。 」
後ろから抱きしめていた腕を解き、
彼の正面に回れば、涙に濡れた瞳が俺を捉えた。
N「俺も、二宮くんが好き。 」
目の前の二宮くんは、
何を言ってるのか分からないとばかりに
ふるふると顔を横に振り、
尚も涙を流している。
N「・・・・嘘、」
A「嘘じゃないよ、信じて? 」
N「また、カメラ・・・?」
A「違うって、今日俺がここにきたのも、
ほんとに偶然なの。」
でも、でも、って小さい子どもみたいに
泣き止まない彼を、今度は正面から胸に抱きしめた。
A「ほんとのほんとに二宮くんが好き。
付き合ってください。」
N「ほんと・・・?……ほんとに、ほんと?」
A「ほんとにほんと!! 」
もう泣き止んで?と両手で彼の頬を包みこめば、
潤んだ瞳を細めて、この上なく綺麗に
「…嬉しい」と微笑んだ。