kiss & cry
第8章 x S 深夜のオフィスで淫らな残業
余韻を噛みしめるように
課長は俺のうなじや背中に
ちゅっ、ちゅと柔らかいキスを落とす。
N「…かちょ、おもいってば・・・ 」
なんて、憎まれ口をたたきつつ、
ぎゅっと俺を抱きしめた翔ちゃんの心音が
トクントクンと背中に伝わり、心地いい。
S「かずなり、…またシような。」
O「"こうして、課長と俺は、隙あらば
ナイショの残業を繰り返す仲になったのだった"」
O「はい、カットォ〜。」
N「なに?
最後のわけわかんないナレーション。 」
O「いや、この方が締まるかなと思って。」
N「それならなんで監督が
俺のフリしてナレーション入れんだよ(笑)」
俺より一足遅くモニター前に
やってきた翔ちゃんの手には、
スタジオの隅に放っておいた俺のスマホ。
S「お疲れ〜。にの、携帯なってる。」
ほい、と手渡されると、
そこに表示されているのは
もうなんどもみた数字の並び。
規則的な振動音を響かせるスマホを見つめる俺に、
翔ちゃんが出ないの?と不思議そうな顔をする。
N「あー…、知らない番号だわ。」
そういうと、翔ちゃんはそう?と笑って
シャワールームへと消えていった。
*深夜のオフィスで淫らな残業*撮了。