kiss & cry
第9章 xJ ナースのオシゴト
N「ハァ・・・ 」
こんな止まることなく下降気味のテンションで
これから撮影するのがナースプレイだなんて。
N「ほんと次から次へと・・・」
ブツブツいいながらワンピースタイプの
ミニスカナース服に袖を通す。
こんなん来て看護ができるか!
看護師なめんなよ!
ガチャ、
O「おーい、着替え終わったかー?
お?いーじゃんいーじゃん♡」
N「や、まだだし!てかノックぐらいしろよ!」
O「お、あとこれあげるだけだろ?」
ジィーっ、と後ろのファスナーを
あげてくれた大野監督が、ツツツ…と
イヤラしい手つきで俺の尻を撫でる。
O「相変わらずいいケツしてんなぁ〜」
N「/// やめろやっ! 」
O「もぉ〜せっかく可愛いんだから
お口も可愛く、ね?」
ぽんぽん、と頭を撫でて部屋を出て行く監督
なにしにきたんだ・・・
なんて毒づいてみるけど
大野監督流にテンション上げてくれたのかな
なんだかんだであのドッキリ風撮影の後から、
なにかと俺を気遣ってくれる監督。
見てない風にしてちゃんと見てくれてるし
落ち込んでる時には
自然と笑顔になるように仕向けてくれる。
監督と演者。
言ってしまえばわかり切った上下関係だけれど、
大野監督は偉そうにするわけでもなく、
威張ったり怒ったりすることもなく、
いわば俺にとっては優しく見守ってくれる
親戚のにいちゃんみたいな存在。
N「・・・やるかぁ〜。」
この格好には似つかわしくないけれど、
ぅしっ、と気合を入れ直して
メイクルームの扉を開けた。