kiss & cry
第9章 xJ ナースのオシゴト
N「すいませんでした……」
O「大丈夫だから、な?
そんな泣きそうな顔すんなって。」
監督はハの字に眉毛を落とし、
困ったように微笑んだ。
O「これ、相葉くんから。忘れもんだって。」
スッと目の前に出されたのは、
見慣れた腕時計。
N「……あ。」
高価なもんじゃないけど、
普段からよくつけてるデジタル表示の腕時計。
いつどこで無くしたのかと思ったら…
まさかあの夜だったとは。
O「…それとこれも。」
ぺろっと俺の前に差し出されたのは
四つ折りのメモ紙。
N「・・・・・。」
おそるおそる、受け取ったそのメモ紙を広げると
少し右肩あがりの癖のある文字が並んでいた。
"二宮くんへ
一度でいいからちゃんと会って謝りたいです。
仕事が終わったらxxx駅近くの
still というバーに来て欲しいです。
きてくれるまで、ずっと待ってます。
相葉雅紀 "
N「・・・・・。」
O「…ちなみにこの後はなんもなし、
明日は二宮さん、お休みでーす♡」
N「んなっ///!手紙みたのかよっ! 」
O「みえたんだよ!…けどまぁ、いい機会だし
会ってこいよ?お前だって意地張ってるだけで
ほんとはちゃんと話したいんだろ?」
N「…別に話すことなんか……。」
O「いいから会ってこい!監督命令!」
N「っ、……わかった。 」
頑張れよ、と大野監督が背中をはたく手の暖かさに
後押しされ、俺はスタジオを飛び出した。
ナースのオシゴト*撮了。