kiss & cry
第12章 xJ 浴衣で愛されて
N「ね、たこ焼き食べたい。 」
J「お、いいねー買お買お。」
今日の撮影は『浴衣で夏祭りデート』から。
濃紺の浴衣に身を包んだ潤くんの隣、
珍しく俺の衣装も男性用。
生成りに縞模様の浴衣、
カランコロンと下駄の音が心地いい。
18時を回った今でも空はまだ明るい。
時折夕暮れ時を感じさせる涼しげな風が吹く中、
"好きに歩いてきていいよ"ってことで
潤くんと二人屋台散策。
いつになく開放的で自由な撮影だ。
少し離れたところにいるカメラマンを意識しながら
射的やってみたり、金魚すくいやってみたり。
そんで今、人混みから少し離れたとこで
買ってきたたこ焼きを
潤くんにあーんしてもらってる。←
J「熱くない?」
N「大丈夫♡おぃひぃ♡」
撮影用の笑顔でニッコリ答えれば、
あーん、ともう一個目の前に差し出され
かぶりつこうとしたたこ焼きは
すんでのところで潤くんの口に入ってった。
N「もーーー!」
しばらくこんなイチャイチャした茶番(←)を
続けたのち、
潤くんがおもむろに時計を確認して
俺の手を引いた。
J「さ、そろそろ花火見に行こっか?」
N「うん♡」
今日の本番はこれから。