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杉並メロディ。

第2章 荻窪

初めて降り立った荻窪の街に、ことりは無邪気にはしゃいでみせた。

びっくりしたことに、ことりは牛丼チェーンに入ったことが無くて、たった300円するかしないかの牛丼を、美味しいねぇ、と喜んだ。

まるで大きな妹が出来たみたいで、俺は、はぐれないようにとことりの手を掴んだ。
すると、ことりは俺の手を握り、微笑んだ。

「ねぇ、こうしていたら、私たちは恋人同士に見えるのかな?」

そりゃぁそうだろうね、と俺は返した。
悪い気は、しなかった。

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