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杉並メロディ。

第2章 荻窪

ブックオフで俺が京極夏彦を立ち読みしていれば、ことりは嶽本野ばらという作家の本を片手に、俺の横からモウリョウノハコを覗き込んだ。

彼女は自分の好みをはっきり持っていたが、俺の好みもまた、理解しようと努力してくれているらしかった。

サッカーなんて興味がないはずのことりが、一緒に見た録画の浦和レッズの試合で一喜一憂してくれた時は、不思議な心地よさを感じた。

ことりは確実に、俺の中の、かなり深いところまで入り込んでいた。

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