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ロリヴァンプ伯爵の鼻唄🎵

第12章 伯爵と翠


「そうだ――――…昔話をしましょうか…」


車で森を抜ける頃…


野村はそう切り出した



「“翠”って娘吸血鬼のこと――――…知りたいですよね?」



私は“翠”と聞いて体がビクッと反応した…


知りたかった…


もちろん知りたかった人物だ――――…私の中に流れている半分はこの“翠”と言う吸血鬼のモノなのだから…



「“翠”様は…日本で生まれ育った純潔の吸血鬼――――…山奥で細々と暮らしていた一族の一人でした


長く旅をしていた、マクギャレット様とアレキサンダー様が幕末のゴタゴタを楽しもうと滞在を決め、身を寄せたのが…翠様の一族でした


同族ではあるが異国の者――――…そんな二人を一族は歓迎しなかったと言います…


そんな中…翠様だけは二人を暖かく迎えおもてなししたそうです」



前をまっすぐ見つめ運転する野村は…思出話を語るかのように翠との異国の吸血鬼二人の話を続ける




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