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ギムレット

第20章 スプリッツァー  真実(シュウ編)


12歳の子供の俺に、そのどちらかを決断させるという事を、もし、世の中の一般的な家庭で育ってきた人間や教育者、評論家などの人間が聞いたら非難の的だろう。

彼らの非難は、当事者の俺からしてみれば、暖かい部屋で温かい食べ物を口にして暖かい服を着込んだ人間たちが、貧困者は可哀想だ。と、『ただ議論だけ』しているのと同じだ。

行き場のなくなった働くことさえも許されない年齢の子供の不安など、ただ口だけで議論している人間になど分かるはずもない。

体験した者にしかわからない苦しみや哀しみ。
体験した者にしかわからない孤独や不安。


俺は2択の話の時に、なぜ?巨人男が俺の家に来たか。その理由も聞かされた。

祖父は、重い病気を患っていた。癌だ。
余命宣告を受けて、祖父は俺の実のオヤジに連絡を取った。

だが、祖父は、実の息子に対して嫌な予感を抱いていた。

そしてその嫌な予感を巨人男に告げていた。


その予感と結果は言わずもがな。


そして俺の実のオヤジは、金融会社から多額の借金もしていた。


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