
ギムレット
第20章 スプリッツァー 真実(シュウ編)
タイミングよく、巨人男たちが現れたのは、それが理由だった。
「じいさんはわしの友人として、わし自身が助けてやる。だが、お前は別だ。じいさんの孫だとしても、わしは偽善者ではない。お前に施しはくれてやらん。だが……」
少し間を開けて巨人男は言った。
「お前に金を貸してやらんでもない」
俺は巨人男の目を真っすぐに見て、相手の発する言葉を一言一句、聞き漏らさないように聞いていた。
------- 金を貸してやる -------
金を借りるという事は、返済しなければならない。
働くことさえ不可能な年齢の今現在の俺に金を返す当てなどない。
「お前にはこれから毎日の生活費として3,000円貸してやる。そして今現在、お前の父親の借金が700万円。それにプラスして、お前に貸す毎日の生活費3,000円が日々加算されていく。お前が望むなら大学までの学費なども全て貸してやろう。もちろんお前に貸した全額返済されるまでは借金の利息も加算されていく」
聞いていて、俺には全く理解不能な数字だった。俺にとっては、祖父から貰う月々の小遣いが1,000円程度の年齢だったのだから。
