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Deep Night《R18版》

第7章 Tiger


何をどうして生きてきたかは、よく覚えていない。

ただ全てを失って廃人になった帳は、犬以下の生活を送ってたのは確かだ。

呆然とする毎日にサラリーマンの革靴を見て思い出した時には、あの男の元に居た。

「あの時のガキか。勉強になったか?」

数年の月日が経っていたのかも分からずにいる帳に懐かしむよう目を細める男。

「野良犬か。哀れだな」

「……殺してやる」

「逆恨みか。面白い、やってみろ」

まんまと乗せられた挑発に、帳は割れたビール瓶の破片を男に向け懐に飛び込む。

「一度失ったモノは取り戻せない。失うモノがなくなりゃ最強だ」

グッと手首を掴んで不敵に笑う男は「約束通り面倒を見てやる」と言ってあの日と同じように頭をガシガシと撫でた。

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