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ミヨコはここの規則をペラペラと男に話すと息をつく。

「それで、ニーナのことだけど」

男の知りたかったニーナの話を持ち出すと俯いていた男の顔がミヨコに向けられる。

「にーなちゃん？」

「ニーナはあたしと違って失敗しても生かされてるから心配しなくても平気だよ」

「失敗しても許されるの？」

「うん。まぁ人気のあるネェさんの脱走はさすがにヤバイけど、どんなにボロボロでもニーナを欲しがる客は居るの。バカだから何でもするしね」

「……酷いね」

「酷い、けどニーナは此処でしか生きられない。３歳から客の相手させられてそれ以外何も知らないから。何をして生きていくのか分かってない」

「にーなちゃんに救いはないってこと？」

「ニーナにとっての救いは死ぬ事じゃない？」

冷たく言い放つミヨコに男は背筋が凍りついた。