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風鈴が鳴らない時

第4章 思ひで


「ふぅ~ん…でさぁ、テンちゃん今日の予定は?」
「ん?掃除と洗濯と、アタルの作ったサンドイッチを食べたい」

アタルが作れる料理は、茹で玉子のサラダとサンドイッチ。つまり切手盛るだけ。休日のお昼は、たいてい二人分のサンドイッチを作ってくれる。夕飯は僕が作る事が多い。

昼も夜も、一緒には食べられないけど…。

「サンドイッチかぁ作って持って出掛けても良いけど…今日は外行かない?テンちゃんが行きたがってたフリマとか」
「え?良いの!?ホントに!?一緒に?良いの?」

僕は、アタルと出掛けることを随分前から諦めていたから、喜びも一入だった。

「でも、なんで?バイトは?」
「シフト変わって貰った…大学生活も二人暮らしもやっとなれてきてさぁ、ずっと勉強とバイトで…二人で飯食ったり、出掛けたりって無かったでしょ?だから今日は、テンちゃんの休みに会わせた」

「嬉しぃ~…です!あははぁ~…メチャメチャ嬉しい!!」

僕の満面の笑みを見て、アタルの顔付きがかわった。

「あぁーやっぱり出掛けんの止めようかぁ~?テンちゃんが可愛すぎるからぁ~…わぉ!って言うくらいメチャメチャにしたぁ~い!ガオー!!」

「待って待って眼鏡がぁキャ~!!」

僕って大切にしてもらえてるのぉ!?








 
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