
掟破りな恋をしよう。
第1章 最低な出会いは、運命の出逢い。
設計部署のフロアに戻り
ふと自分の席に目を向けると、さっきまで
いなかった左隣の人が戻っていているようだった。
後ろ姿を見る限り、どうやら男の人のようだ。
そうだ、挨拶しなくちゃ…!!
歩く足を早め、私は急いで自分の席に戻る。
「あの、挨拶が遅れてしまってすみません。
今日からここで働くことになった豊田未来です。
よろしくお願いし――――――。」
そう言ったところで、私はこれ以上の言葉を
続けられなくなってしまった。
彼の顔を見た瞬間、全身の血の気が引いていくのが
自分でも分かった。
だって………………。
私の隣に座っていたのは
10Fの廊下で出会ってしまった
あの最低男だったからだ。
「お前、さっきの―――――――。」
彼もまた、私の顔を見て
驚きを隠せないようだった。
