
掟破りな恋をしよう。
第2章 彼の素顔。
とりあえず計算が合わない資料は置いておいて
他の資料を手際良く片付けていく。
その傍らで、定時退社をする先輩方が
続々と帰っていた。
「お疲れ〜。」
「お疲れです。」
作業を進めつつ、退社する先輩方と
このやりとりを何度も繰り返す。
あぁ、私も早く帰りたい。
ママの美味しいご飯食べたい…!!!!
涙目になりつつ、手を止めることなく
何とか作業を進める。
そして、残りは問題の資料だけになった。
1度手を休め、ふと時計に目をやると
針は既に20時を指そうとしていた。
嘘、もうこんな時間…!?
まわりに目をやると、このフロアに残っているのも
どうやら私だけのようだ。
けど、まだ帰られそうにない…。
ママに遅くなるって連絡しておこう。
