
掟破りな恋をしよう。
第2章 彼の素顔。
デスクの上に置いてあるiPhoneを手に取り
画面を見ると、連絡先を交換していた水波さんから
2時間程前にメールが1件届いていた。
『お疲れ。真剣な顔でパソコンに向かってたから
声をかけずに帰っちゃってごめん。
仕事、終わったかな?』
…………終わってないです。
むしろ、下手したら
今日は家に帰れないんじゃ…。
しょぼんとなりながら水波さんに返信を打つ。
と、その時。
「………誰かいるのか?」
「ふえぇっ!!!!!!!」
私しか残っていないフロアに
突然男性の声が響く。
まさか、私以外に人がいるなんて思わず
驚きのあまりに変な声が出てしまう。
「え、神咲さん…!?」
目線の先に立っていたのは
昼間突然出ていった神咲さんだった。
「こんな時間まで何してるんだ、お前。」
「仕事………まだ終わってなくて…。」
私の言葉を聞くと
神咲さんは深い溜息をついた。
「……そんな事だろうと思った。」
彼はそう言いながら
私の隣の自分の席に腰をかける。
