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Our Destination

第10章 君といたら、隠せなくなる気持ち

12月初めの昼過ぎ
俺はあるターミナル駅の改札の前に居た

2週間前、ここから10分ほど歩いたところにある繁華街に立つビルで玲佳ちゃんと脱出ゲームをした
開場前にたまたま見つけて、一緒に参加したら最後は玲佳ちゃんのひらめきで見事に脱出成功
初めてって言ってたのにほんとにすごかった
その帰りにまたしたいと言ってくれて、オリジナル公演に行く約束をして、その日が今日だった

"ふたりで行くことにしたけど、これってもはやデートだよな。"
人が多く行き交う中、一人思っていた

もちろん玲佳ちゃんはデートとは思っていないだろうけど、他の人から見たらデートに見えるんだろうな
こないだも、同じチームだった方にカップルと思われたし
まあ、あの時はただの友達って否定したけど…
自分で言ってて辛かったな
確かに友達だけど、口にしてしまうとそれ以上にはならないって認めてしまったような気がして、悲しくなったもんな

ただの友達でも、こうやって遊べるだけいいのかな
でも、やっぱり俺…玲佳ちゃんのこと…

そう思っていると
「悠輔くん…!ごめん…待った…?」
玲佳ちゃんが駆け寄ってきた
「いや、待ってないよ?俺もさっき来たとこだから!」
「そっか…よかった…」
不安そうな顔をしてた玲佳ちゃんの顔が緩む

"玲佳ちゃん、優しいからいろいろ気にしちゃって顔に出ちゃうんだろうな…。そんなに気にしなくていいのに…"

「とりあえず、いこっか!」
「うん!」
ふたりで目的地まで歩き始めた

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