テキストサイズ

Our Destination

第5章 期せずして訪れた、ふたりきりの時

「それにしてもあれは流石に恥ずかしいよ…」
思わず顔が赤くなる

「恥ずかしいかも知れない、でも本当に嬉しかったから…望月さんありがとう…」
「うん…そう思ってもらえてるのは嬉しい…」
「何回ありがとう言っても足りないくらいだよ」
「そんなことないよ…私は何も…」
なにもしていない、そう伝えようとしたのに遮るように小林くんは

「あの日も何も言わずに話を聞いてくれた。2時間以上隣で話を聞いてくれた。あの日望月さんが…玲佳ちゃんがいてくれて本当に良かったなって思ってる。」
「えっ…?」
「今日だって本当は聞きたくないよね、こんな話。それなのに俺が頼んだからだと思うけど、一緒に聞いててくれて、自分のことのように怒って泣いてくれて…、ここまでしてくれる玲佳ちゃんが何もしてないわけないよ」
「いや、そんなこと…」
いつのまにか、苗字ではなく名前で呼ばれ始めたことに動揺してしまう

「ほんとに玲佳ちゃんがいてくれてよかった…本当にありがとう…」
「いや、そんなことはないけど…というより…名前…」
思わず呼び方が変わってしまったことに触れてしまう

ストーリーメニュー

TOPTOPへ