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Our Destination

第5章 期せずして訪れた、ふたりきりの時

「名前…?名前が何か…、玲佳ちゃん…。あっ…ごめん…。勝手に名前で呼んで…」
「いいの!名前で呼んでくれていいんだけど…急に変わったからびっくりしちゃって…」
「ごめん、つい呼びたくなったと言うか…その…」
「えっ…?呼びたくなった…?」
「あっ…えーっと…なんていうのかな…その…あっ、あれだよ!ここまでしてもらったのに苗字のままだとなんか距離がある気がしたからさ!」
少し戸惑ったような顔を見せる小林くんが気になったけど、確かに苗字だと距離はある

「たしかにそうだね」
「それにもっと仲良くなりたいからさ!」
「えっ?私と…?仲良くなりたいの…?」
「うん!玲佳ちゃんと話してるとなんか落ち着くし…いやかな…?」
「いやじゃないよ!」

いやなわけないよ…だって…
私はずっと小林くんが気になってたんだよ?
彼女さんいるのわかってたし、話しかけ方もわからなかったから諦めてた
ただ、遠くから見てるだけでよかった
講義中や学食でみてるだけでよかった
それがこうやってお話できて、名前で呼んでもらって…
それに今、二人きりだよ?
嬉しいよ、私は

「よかった…嫌じゃないなら…。あのさ、よかったら玲佳ちゃんも俺のこと名前でよんでくれないかな…」
「えっ…?あっ…うん…。わかったよ…悠輔くん…」
なんかむず痒いけど、うれしいな

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