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林間学校

第7章 ただいま

緊迫した絶体絶命の雰囲気をぶち壊すかのように突然軽快な口笛が聞こえてきた。

「人様の恋路を邪魔するなんて相変わらず姑息な小悪党だねぇ」

綾音も翔太もやってきた男を絵本の中で見たことがあった。そう、彼はピーターパン。

「どうした?命に替えてもその娘は守るんだろ。キミも戦うんだ」

ピーターパンに戦えと言われて困惑する翔太だが、いつの間にか自分も武器を持っていた。

でも、刀や銃なんていう物騒なモノを使ったことはもちろんない。テレビの中のヒーローが使うのを見たぐらいのものだ。

刀や銃なんかで攻撃をしたら大怪我をするだろうし、ヘタをすれば命まで落とすかも知れない。
いくら相手が悪党の海賊だといってもそんな酷いことはできないと翔太は思った。

だったら・・・使う武器はこれだ。
翔太は孫悟空が使う如意棒みたいな武器を手にした。

如意棒で打ちつけても敵にダメージを与えるには充分だ。次々に敵の海賊は倒れていく。

「おおっ、スゴい。伸びろ珍棒」

翔太の叫びに応えて如意棒は伸びたり縮んだり伸縮自在に敵を打ちのめす。

「珍棒じゃなく如意棒な。違う世界に存在する如意棒まで出てくるとはダークネスも困ったことをしてくれる」

ピーターパンは困った顔をしながら海賊たちを叩きのめしていく。

如意棒を伸縮自在に振り回す翔太だが鉄球やチェーンソーなどヤバい武器を持った複数の海賊に取り囲まれて形勢不利になる。

「くっそ~、こういう時は・・」

翔太は如意棒を伸ばして次々と取り囲んでいる海賊たちの股間を攻撃していく。

「ぎゃああっ」
「ぐおおっ」

海賊たちは苦しんで持っている武器を落としていく。

「そ~れ、キン、キン、キ~ンだ」

翔太は容赦なく海賊たちの股間を思いっきり打ちつけていく。

「む、酷い」
「使いモノにならん」
「うえ~ん、お母ちゃ~ん」

男たちは涙を流して倒れて股間を押さえてのたうち回って苦しむ。

「あ~あ、酷いことをするなぁ、こりゃあ本当に使いモノにならないぞ、ねえ、お嬢さん」

ピーターパンは困った顔をして綾音を見る。ちなみにお母ちゃんと叫んでいたのは女房のことだと思われる。可哀想に、しばらくは夜の性活は無理であろう。

「もう、知らないわよ、このエロピーターパン」

綾音は真っ赤な顔をして怒った顔をしている。




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