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林間学校

第7章 ただいま

「うんうん、で、相手は誰なの?」

ママちゃんは満面の笑顔を浮かべている。この人には叶わないと思った。

翔太は真っ赤な顔をしてうつむいて綾音の名前をぼそっと言った。

「まあ、あやちゃんなの。よかったわね」

綾音の名前を聞いてママちゃんはもう上機嫌になる。翔太を訪ねてきた女子の中で綾音が一番気に入っていて、綾音が翔太の恋人になってくれたら嬉しいとずっと思っていたらしい。

「しっかりね、ママも応援するからね」

ママちゃんに綾音とのことをこんなに喜んでもらえるのなら翔太も嬉しくなった。

「そっか、そっか~。しょうちゃんも男になったか。今夜はお赤飯にしましょう」

それって女のコが初めて生理になった時のお祝いじゃ・・それに赤飯が夕食だったら何かいいことがあったのかと父親に勘ぐられるじゃないかと翔太は赤飯に異を唱える。

「もしかしたらいい報告ができるかも知れないから、その前祝いってことにするから大丈夫よ」

ママちゃんは少し顔を赤らめて幸せそうな顔をしている。

ヤッたな、林間学校で留守の間に父親とコンドームなしでセックスをしたなと翔太は察した。

留守の間の二晩ともヤッたのかな?ママちゃんはどんな感じで父親に抱かれたのかなと妄想してしまうと翔太も顔が赤くなる。そしてママちゃんとセックスをした父親への嫉妬も沸いてくる。

「こら、変な妄想はしない、あやちゃんのことだけ考えてなさい」

ママちゃんは少し怒ったように言うがニヤけている。

「しょうちゃんが男になったお祝いってことはしょうちゃんとママだけの秘密ね」

父親が知らないママちゃんとふたりだけの秘密があるというのは何だか嬉しくなる。

「おかえり、そしておめでとう、しょうちゃん」

「ただいま・・ありがとう」

いろいろありすぎた林間学校だったけど、翔太は今とっても幸せなキモチになっていた。
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